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光秀の定理 垣根涼介

永禄三(1560)年、関東からとある若者が京へたどり着きました。名は玉縄新九郎時実。めっぽう腕はたつが、ちょっとぬけているのか懐はもうすっからかん。どうしようかと思っていますと、なんと道端で坊主が賭け事をしているではありませんか!

この坊主の名は愚息。新九郎とはこれから長い付き合いとなります。その愚息がやっている賭けとは、親が4つの椀の1つに石を入れそれを子が当てるという至極単純なもの。ところが回数が増すにつれ愚息の勝ち分も不思議と増えていく。イカサマをしているわけではなくとある理が関わっているのですが、この理が今後重要な意味を持ってきます。

その後、お金の無い新九郎は追い剥ぎをすることにします。心根の優しい彼は丸腰の相手は狙いません。そして現場にはいつも愚息が現れ、間違って殺してしまわぬよう新九郎を見張っております。愚息もいい人ですね。

今夜もまた獲物が彼らのところにやって来たようです。帯刀した武士がひとりで歩いて来ます。なんと彼がかの有名な明智十兵衛光秀でございます。新九郎の強さを悟った十兵衛は、自ら腰の大小を渡します。新九郎は優しいですからね。丸腰の人はもう切れません。愚息の取りなしもあって刀も十兵衛に返してしまいます。これ以降彼ら3人の付き合いが始まるのです。

本作の光秀はとってもいい人でして、立身出世も離散した一族のため。器用に何でもこなす彼は難しいことを押し付けられて、それでもできてしまうからまたさらに…、と器用ビンボーまっしぐら。そりゃ髪も薄くなりましょうよ。自由を愛する愚息と新九郎も彼のことはほっとけないのです。

そんな光秀が何故本能寺の変を起こしたのか。最後に垣根さんなりの理由が書かれています。実際のところは分かりませんが、本作の真面目で優しい光秀らしい理由でありました。

さてさて私が気になったのは光秀よりも新九郎であります。最初の頃は愚息に使われて、自分の不甲斐なさに泣いたりして可愛かったのに、自ら剣の理を見出してからは光秀もビックリの成長ぶり。もっと彼の活躍を見てみたかった…。



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しがない本好きでございます。
拙い文章ですが、お許しください(;´Д`)

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