「金曜日の本屋さん」を読んで気になっていた本であります。
ハルさんは愛する妻瑠璃子さんを亡くし、一人娘のふうちゃんと2人で暮らしていくこととなります。大学を卒業してすぐに結婚することになったふうちゃん。結婚式当日、ハルさんは幼稚園児、小学生、中学生、高校生、大学生と順番にふうちゃんとの思い出を振り返っていくのです。
ふうちゃんの成長はもちろん、ハルさんの成長していく様も何とも感慨深いのですよ。ふうちゃんが幼稚園児の頃、ハルさんは料理がヘタでお弁当も上手くできないし、人形作家としての知名度もまだまだ。貧乏でふうちゃんを旅行にも連れていけない…。
ですが、次第に料理の腕前は上がり、人形作家として有名になり、お金に余裕が出てきます。
そして創元推理文庫ですからね、もちろん謎解きもあります。人が死んだりしない、何ともほんわかとした謎ばかりでした。
ハルさんが謎を解くのですが、そこにいつも現れるのが瑠璃子さん。幽霊ではありません、たぶん。ハルさんと瑠璃子さんはとてもとても愛し合っておりました。ですから、死んでしまったあとも瑠璃子さんはハルさんに寄り添っているのです。
でも幽霊ではないのです、おそらく。
とてもとても愛し合っていた2人ですから、瑠璃子さんはハルさんの一部となっているのではないかなあ、と思うのです。最後に結婚式の花束贈呈でハルさんは瑠璃子さんの分も受け取るのですけど、そのシーンに涙涙…。外で読んでいなくて良かったです。
いつもはあとがきとか解説とか飛ばしてしまったり、ざっと読むだけだったり(スミマセン)なのですが、「金曜日の本屋さん」で気になっていたことがあったのでちゃんと読みました。
藤野さんの過去は想像以上のものでした。しかしながら、その苦しみがあったからこそハルさんの無償の愛が生まれ、私たち読者がこのお話にふれ癒されたのかと思うと、なんとも言えない想いが込み上げます。
是非親子で読んでもらいたい1冊です。


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