FC2ブログ

記事一覧

なりたい 畠中恵

シリーズ第14弾。

長崎屋の蜂蜜の仕入先甚兵衛の願いは「空を飛ぶこと」その願いを叶えるため立ち上がった若旦那の兄や佐助の手にはなんと鉈っ!?「妖になりたい」
身分に関係なく自作の甘味を持ち寄る甘々会。その会が開かれる日、死体消失事件が発生する「人になりたい」
戸塚の猫又の長の座をかけて虎と熊市が長崎屋で勝負をする「猫になりたい」
長崎屋の女中おようの縁談相手との顔合わせ。縁談相手の連れ子が問題ばかりを起こす「親になりたい」
長崎屋の近所の茶問屋の息子万之助が帰らぬ人に。若旦那がお悔やみにいくと、幽霊となった万之助が相談を持ちかけてくる「りっぱになりたい」

以上5編です。

相も変わらず、若旦那のいる長崎屋の離れは妖たちで賑やかでございましたが、今回のお話たちは楽しいながらもちょっと切ない。

例えば「猫になりたい」この話には手拭い染屋紅松屋の主人が出てきます。彼は病で先が長くない身ながら、昔番頭をしていた青竹屋のため、猫又春一と立ち上がるのです。

春一は青竹屋の跡取りでありながら強盗に殺されてしまいました。そしていろんな生き物に転生し、弟の継いだ青竹屋を見守り続けてきたのです。ついには猫に生まれ変わり、長生きしたすえ猫又になったのでありました。

最後にね、紅虎屋が言うんですよ。「私も猫に生まれ変わりたい」って。それに対する春一の言葉が以下の通り。

「紅松屋の事は、花になっても虫になってもきっと探す」

「本当に、紅松屋の子猫を見つけたら、きっと猫又になるよう一緒に暮らす」

って、春一よ、どんな口説き文句だこりゃ。私、これを書いている今もちょっと泣きそうなんですけど。

畠中さんのお話は心が温まります。今回も大変癒やされました。




にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村





人気ブログランキングへ


関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

コザクライン娘

Author:コザクライン娘
しがない本好きでございます。
拙い文章ですが、お許しください(;´Д`)