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太宰治の辞書 北村薫

〈円紫さんと私〉シリーズ第6弾。お久しぶりの新刊に胸踊ります。

〈私〉も結婚し中学生の子持ち。相変わらず出版社のお仕事を続けておられます。さて、お子様が5歳のときの手紙がございまして、

「お母さんへ
 いつもおしごとしてくれてありがとう
 ‎でもいいかけん
 ‎会社をやめてほしいです。
 ‎やめられないばあいは
 ‎なるべくちかいあいだにやめてくださ    
 い。」

無垢で母親への愛情に溢れたお手紙ではありますが、これはかなり胸の辺りをえぐられる…。でも〈私〉は仕事を辞めませんでした。息子へ誇れる仕事をせねばと誓うのであります。

これは北村さんから働くお母さま方へのエールではないかと思うのですがどうでしょう。

さてさて、今回は文豪に関する謎解き。始まりは新潮社にて手にした「100年前の新潮文庫創刊版完全復刻」でございました。刊行案内にあったピエール・ロチの名から、彼の 『日本印象記』をもとにした芥川の「舞踏会」へとつながります。

「舞踏会」を三島由紀夫がロココ的と評した事柄から、太宰治の「女生徒」のロココ料理となり、「女生徒」の主人公が引いた辞書から、太宰治が使っていた辞書を追うこととなるのです。

すごいですね、この連鎖。〈私〉は思い当たる本をあたったり、出版社を訪ねたり、前橋の図書館まで休日を使って行ったりと、怠惰な私には考えられないほどアグレッシブ!インターネットで調べて終わりの私とは根本的に何かが違いますね。

円紫さんももちろん登場、落語の「佐々木政談」が出てきますよ。江戸南町奉行の佐々木信濃守のマネをして子供たちが遊んでいるところに本人が居合わせてしまうという、なんとも可愛らしいお話です。

「六の宮の姫君」でもそうでしたが、読み進めていくと文豪たちが生き生きと感じられます。小説やら評論やら読み漁らないと分からないことが謎解きを楽しみながら知り得てしまう。やっぱりお得感満載です。




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Author:コザクライン娘
しがない本好きでございます。
拙い文章ですが、お許しください(;´Д`)