QED〜ortus〜白山の頻闇 高田崇史
- 2017/11/28
- 20:43
思いの外新刊が早く出て驚きました。奈々の妹沙織の嫁ぎ先を訪ねたら、またまた事件に巻き込まれる金沢・白山比咩神社編。奈々と崇が大学生のとき、投げ込み寺として有名な浄閑寺付近の幽霊騒ぎをきっかけに、崇が吉原について語る江戸・吉原編、の二部構成です。白山比咩神社のご祭神は菊理媛尊。黄泉平坂で伊弉諾尊が伊弉冉尊に追いかけられているとき、間に入ったのがこの神様です。ただ彼女が何を言ったのかは不明、そして登場...
京都烏丸御池のお祓い本舗 望月麻衣
- 2017/11/25
- 19:46
望月さんの新シリーズ開幕。タイトルでお分かりでしょうが、京都のお祓い屋さんのお話です。「寺町三条」のお二人が1巻目から登場。でも「祇園」の方が関連がありそうですが、こちらと共演はあるのでしょうか?出版社の壁を超えられるのか⁉主人公の朋美は失恋とリストラの鬱憤をやけ酒で晴らしているところを城之内にスカウトされます。彼はジョニー・デップ似の色男。ちょっと朋美の危機管理能力に不安を覚えるところですが、朋...
太宰治の辞書 北村薫
- 2017/11/21
- 23:19
〈円紫さんと私〉シリーズ第6弾。お久しぶりの新刊に胸踊ります。〈私〉も結婚し中学生の子持ち。相変わらず出版社のお仕事を続けておられます。さて、お子様が5歳のときの手紙がございまして、「お母さんへ いつもおしごとしてくれてありがとう でもいいかけん 会社をやめてほしいです。 やめられないばあいは なるべくちかいあいだにやめてくださ い。」無垢で母親への愛情に溢れたお手紙ではありますが、こ...
宝石商リチャード氏の謎鑑定 祝福のペリドット 辻村七子
- 2017/11/19
- 01:44
シリーズ第5弾。ついに出で来る宝石の名前が聞いたことのないものばかりとなりました(笑)サードニクスというのが赤いオニキス、瑪瑙のことらしいですけどね。読み終わったあといつもひと通り画像検索してみるのですが、アンダリュサイトがとてもキレイでした!しかしながら、どんな石か私の語彙力・表現力ではうまく言い表せません。正義はステンドグラスみたいと言ってます。リチャードと正義がイギリスから帰国し落ち着きを取...
まほろ駅前狂騒曲 三浦しをん
- 2017/11/15
- 21:05
シリーズ3巻目にして最終巻。結構な厚みです。まほろ市出身、バツイチの多田は便利屋を営んでおります。同じくまほろ市出身、バツイチ、イケメン。奇妙?奇天烈?破天荒?ボキャブラリーが貧困な私には一言でなんと言ったら良いか分かりませんが、凡な私が傍から見てたら「ぎゃーっ!?」と叫びたくなるような言動をする行天。彼が多田の事務所に転がり込んでから2年が経ちました。まほろ市にて「家庭と健康食品協会」略してHHFAなる...
ただいまの神様 鈴森丹子
- 2017/11/10
- 00:40
『満願』にて沈んだ心を癒やすため、モフモフ神様たちに会いにやってまいりました。最終巻の3巻目を読んでしまってからの、2巻目名古屋編です。大学を中退してまで就職した会社をリストラされてしまった結。姉の絵麻を頼って名古屋へとやって来ます。姉の恋人と思われる彼女の上司崇司はとにかくチャラい。心配になった結は崇司を見かけるたびに後をつけます。自他共に認めるストーカーの誕生です。結は不思議ちゃんで、ことあるご...
満願 米澤穂信
- 2017/11/06
- 23:56
人間の闇の部分をあぶり出す短編集。沈んだ気分のときに読むと、さらにずぶずぶ沈んでいくのでお気をつけください。短刀を持った男を射殺し、男に刺され殉職した若き警官。この事件の隠れた真実をあぶり出す「夜警」失踪した恋人を追ってやって来た山の中の宿は何と自殺の名所で有名だった。客の自殺を止めることができるのか?「死人宿」生活力はないが、やたらと女を魅了する男がいた。彼の妻と娘たちの愛憎劇「柘榴」資源開発の...
京都の甘味処は神様専用です 桑野和明
- 2017/11/03
- 21:02
タイトルにちょっと違和感を感じてしまうのは私だけでありましょうか?京都には人間なんぞに菓子を出す店はない、と言われているような気が…。たぶん気のせいですよね。気のせいだと思いたい。表紙のイラスト通り、可愛らしいお話であります。京都にある甘露堂の店内は、人間用と神様用で別れています。(神様専用じゃないんかい!とまたツッコミたくなりますけどスルーします)甘露堂で働いていると神様の御加護を受けられるそう...